【Design】シンボルとしてのロゴを持つロックバンドと、ロゴを持たないラッパー
おはこんばんちわ。
先日NMEのHPにてこんなクイズを見つけました。
● 偉大なロックバンドのロゴデザインはもはや芸術
「どれどれ。いっちょやってみっか」とやってみましたら26点満点中19点。基本的にUKとかヨーロッパの古いバンドが苦手でしたね。
何気にA〜Zまで全てのアルファベットのバンドを集めていて面白かったです。ちなみに上の画像の最初のAの答えは、ARCTIC MONKEYSでした。
よく見るとブラックサバスのロゴにめっちゃ似てる。ロックというジャンルは、完成度の高い芸術のようなロゴを持ったバンドが本当に沢山います。
全部マジでかっこいい。芸術です。
● ラッパーのロゴはと言うと?
で、ですよ。やっててふと思いました。
「え?ヒップホップ勢のロゴすくなくね?」って。まずそもそもこのクイズが「バンド」縛りなので、そりゃ少ないんですけど。ヒップホップのアーティストって基本1人が多いですし。
しかし、それを差し引いてもヒップホップのアーティストはちゃんとしたロゴを作っているアーティストが少ないイメージ。なぜなのか。
ぱっと思いつくところだと、NAS、WU-TANG、PUBLIC ENEMY、とかです。ググってみても正直意匠と言えるようなロゴを持つヒップホップアーティストはかなり少ないと思われます。ヒップホップ勢でちゃんとロゴとしてデザインされているものを集めてみました。
確かに意匠としてロゴを作っているラッパーやグループはちゃんとおります。でもこれほとんど80's〜90'sのアーティストばっかじゃんっていう。最近のラッパーはロゴを作ってないな、あいつら。
で、ちょっと考えてみました。なぜラッパーはロゴを作らないのか?
ラッパー達がロゴを作らない理由は以下のように考えられます。
1.ラッパーは基本1人
まずこれが一番大きいのかなぁと思います。バンドで活動していれば、他のメンバーのいろんな視点が入ってきて「ロゴ作ろうぜ!」って声が必ず上がると思います。
グループとしての一体感を得るため・表現するためにも、屋号としてのロゴを作ると一本筋が通ったような感覚になると思います。
しかし1人で活動しているアーティストが多いラッパーは、そういう発想になりづらいのかもしれません。
2.金のかける所が違う
ラッパーと言えばブリンブリン(死語)。とくにUSのラッパーは売れっ子になると、必ずウン千万のブリンブリンネックレスを作ります。しっかりとした意匠を反映させたロゴよりもジュエリー。という優先順位があるのかもしれない。
最近では昔に比べたらド派手なネックレスは作らなくなったようです。大人になった大御所ラッパー達はスマートな装いをするようになりましたが、若手のラッパーの中でないまでもジュエリーは伝統文化として息づいている。
つまりロックバンドはアートや芸術・デザインに価値を見いだす人たちが多い傾向で、ラッパーはジュエリーや車、家などに価値を置く人たちが多いのかなと。特性の違いであって、どっちが良い悪いという話ではないですな。これはもう、その音楽が生まれた背景の違いからくる差だと思います。
3.一貫したロゴを重視していない
アルバムごとにジャケットにのせる名前のロゴを変えるラッパーは山ほどいます。デビュー当時のロゴをそのまま使い続けるという文化がないのかも。アートやデザインに精通しているカニエでもアルバムごとにロゴを変えてます。
ラップの世界は音のトレンドの移り変わりが早いので、新しいもの好きが多いイメージ。常に新しくて変化に富み、フレッシュである事に価値観を置くラッパーが多いのかもしれません。
逆に言うと、若い頃から音楽性が変わらない一貫した音楽を作るラッパーの方が、自身のシンボルとしてのロゴを作っているイメージがありますね。
偉大なロックバンドは、ジャンルを問わず必ずオリジナリティのあるロゴを作っています。ラッパーの皆さんもぜひ自身を表すシンボル、ロゴを作ってみてはいかがでしょうか。まる。